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2006/04/05

D.E. scene0401

宿敵(と書いて「とも」と読まない)アルフレッド&バリスタから蒸気バイクを手に入れたフェーンは、謎の兵士達の包囲網を強行突破したのだった。

街の門を飛び出し、追っ手をまくように獣道のような旧街道を飛ばす。
「大丈夫だから」
後ろのリンが声をかけ、腕に力を込めた。
フェーンは無言のまま、落とし始めていたスピードをまた元に戻した。


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やがて・・・
二人は先ほどまでの獣道とはまったく違う不思議な空間を走っていた。
人工的な床、立ち並ぶ青いオブジェ、はるかかなたまで見渡しても同じような空間が続く。
「ここは?」
二人の心を不安が覆っていく。

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「うわぁ! なに?! この柱! 動く!!」
突然オブジェが途切れ、二人の前に何本もの柱が現れた。
フェーンは次々に現れる動く柱をかわして走る。とても初めて運転するとは思えない動きでかわしていくが、しかしそれは長く続かなかった。
ガリッ!
蒸気バイクが横滑りし、そのまま横倒しになっていく。
「うわぁぁぁ!!!」
「きゃぁぁー!!!」

ドーン!
青い空間に、蒸気エンジンが爆発する低い音が響き渡った。

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フェーンは傷ひとつ無く、空中にぶら下がっていた。
床に投げ出される寸前、グッと上に引き上げられるのを感じたが、何がおきたのかわからなかった。
「リン!」
とにもかくにも、少女の姿を探す。

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すぐ横に、人形のように抱きかかえられたリンの姿があった。

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そっと床に下ろされたリンに駆け寄ろうと、フェーンは身をよじって飛び降りた。
リンを後ろにかばうようにして、自分達を助けた者を見上げ、驚愕に目を見開く。
「巨人!! そんな・・・!」

「世界には自分達しかいないとでも思っていたのか? 人間よ」
二人の後ろから優しげな声がかけられた。

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