D.E. scene1401
「何用じゃ。ティターニア」
金属でできた小さな体を傲然と反らしながらその少女が言い放つ。その言葉を受け、少女の前にたたずむ妖精が苦笑を浮かべながら口を開いた。
「今は剣士とお呼びいただこう。金が属の女王よ」
女王と呼ばれた少女は自身の倍以上もある妖精を見下すようにして続ける。
「呼び名などに意味はない。なんと呼ばれようがそなたはそなたではないか」
「名は体を表すのだ。理の長よ」
「ふん。呼び名ごときで変わるとは軟弱な」
妖精族の剣士は、軽く頭を振った。
「不変の支持者よ。そのようなことを議論しにきたのではない。いくつか尋ねたいことがある」
「人間のことか? 予言のことか?」
「さすが、お見通しか。人間がこの世界を侵略、いや、浸食し始めて3000年がたったという。
その年月の中で、
彼らは深きものと交わり、水の力を得た。
彼らは妖精と交わり、木の力を得た。
彼らは竜と交わり、火の力を得た。
彼らは巨人と交わり、土の力を得た。
そしてついに、彼らは御身らドワーフと交わり、金の力を得た。
彼らはもはや、我ら五行の守護者にとって代われるのだ」
「それが、滅びの予言の真実だとでも言うつもりか? 我らを滅ぼすのは人間だと」
「御身はいかが思われる?」
「ふん。予言の剣はなまくらじゃ。何の力もありはせん。あれでは我らが「思考する機械」のバリアーを貫くことはおろか、そなたらの「世界樹」の皮をはがすこともできまい。人間が我らの力をわずかばかりかすめ取ったとて、我らを滅ぼす力にはならぬ。つまるところ、滅びの予言はただの作り話じゃ」
「のう、知っておるか、きゃつらは光合成で動くらしいぞ」
「なんと! ぜひこの蒸気エンジンに取り替えてやらねば」
「いや、まてまて、それなら先日作ったばかりの、この重水素を燃料にした・・・」
「いやいや、威力ならばワシのレールガンの方が・・・」
「なにをいう、ボクのプラズマナイフに・・・」
「にゃははは。「おーとめーる」が最強にゃー!」
「こんなこともあろうかと用意していた「機竜」が、ここに降臨」
「えぇいっ、うるさい!! だまれっ!!!」
ドワーフの女王の怒声がこだました。
剣士は気にした風もなく続ける。
「論理の君よ。火が属以外の属は、予言の剣を信じておらぬ」
「火が属のみが、己を滅ぼす剣の存在を信じて疑わぬというのじゃな」
ドワーフの女王の瞳から、スッと光が消える。「思考する機械」とつながったのだ。
「・・・」
しばし、無言の時が流れ、ドワーフの女王の瞳に光が戻った。
「ティターニア。真実を隠すとするなら、どうする?」
「事実の中」
ドワーフの女王は、ニヤリと邪悪とも見える笑みを浮かべた。
『ドラゴニアン・アイズ』、今回はここまででございます。
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コメント
久々の『D・E』キター!!(0▽0;
しかも101体のドワーフ(神姫)大行進だw!!
金子の機竜がツボ。(ウチの機竜は封印されたままですw。)
ライバルの『針千本』娘はドコ~w?<(0v0=0v0)>
ドワーフがフェーンにどう絡んでいくのか?
ますます楽しみ♪
…そう言えばカテゴリーに『D・E』無いんですねf(^^;
まとめ読みしたいので、追加希望です。
時間のあるときに是非。(^▽^;
投稿: けんぢ | 2007/06/11 16:44
けんぢさん。
管理人です。コメントありがとうございます。
> しかも101体のドワーフ(神姫)大行進だw!!
書き始めたときは、ミクロマンのつもりだったのですが、神姫に取って代わられました(^^;。
> 機竜
心滅はすぐに転ぶ & バラバラになるので、怖くてしょうがないです(^^;。
以前、後ろのスクリーンに大穴をあけてくれましたし。
> カテゴリーに『D・E』
右の欄に「シリーズ物」を追加して、一覧に飛べるようにしました。
投稿: freya | 2007/06/11 23:26
騒がしくて陽気 という所でドワーフらしさが出ているトコが
いいじゃありませんか~(^^。
五種族が出揃い、これから一気呵成にクライマックスへ~~
と思ってインデックスを見たら、まだまだいろんなエピソード
がありそうですね~。
投稿: アユミルゲ | 2007/06/13 23:08
アユミルゲさん。
管理人です。コメントありがとうございます。
> ドワーフらしさ
なんか、ハイホーハイホーなイメージがあるんですよね。
あと、頑固なこだわりが非常にオタク的(^^。
> エピソード
書いたところでも番号の飛んでるところは色々あるんですが、とりあえず、クライマックスへいっちゃうつもりです。
投稿: freya | 2007/06/14 23:00