黄金のアーンヴァル:プロローグ
覚醒する。
本来のそれは起動と言うべきものなのだろうが、規定された起動シーケンスとは別のところで、私は世界を認識し始めていた。
イニシャライズプログラムが五感をテストして正常であることを伝える。
同時に、それとは別の知覚が私の中に流れ込む。いや、わき出るという方が近い。
・・・
「滅せよ」
「天使の翼は何のためにあるか、考えたことはあるか」
「あなたはっ! なぜ飛ぶのです!?」
「天使風情がラグナロックに舞うか!」
「猫!! ですって!?」
「なぜ賢者の石を求める? 天使如きの手には余ろう」
「大丈夫。 オレはまだ飛べる。 飛べるよ・・・ 飛べるんだっ!!!」
「あなたの瞳は、ボクでも空でもなく、天を見ていたと」
「痴れ者! 神に目通りするのだ。 頭(こうべ)を垂れよ! 膝を折れ!」
「大冒険ですよ?」
「月の神は一柱でいいと思わぬか? のう、フィービー」
「なぜ、ボクたちの戦いをロンドと呼ぶか、考えたことはありますか」
「クケケ♪ 裏切り者め♪ 死ねい♪」
「彼女は「死」を迎えるでしょう」
「光栄です。お姉さま」
・・・
どこからか、私の声が聞こえる。
かつて・・・いつか・・・いま?
「黄金故に、黄金の時をまとおう」
「天使故に、真白き天を舞おう」
黄金?
天使?
ああ、そうだ、私は、MMS TYPE ANGEL。
戦いの天使、黄金のアーンヴァル。
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